将棋と碁と麻雀と株式投資

僕は一応、将棋と碁と麻雀をたしなんでおります
一番好きなのが将棋なので、まず将棋と株式投資との相性について語りましょう
プロの将棋指しは株が好きです
株好きは将棋が好きです
この二つには大きな共通点があるからです
先を読み、さらに先を読み、読み勝ったものが勝利者になる点です
米長名人は株式投資の指南書まで書いているくらいです

ところが米長名人でさえ株式相場では敗退したと言われています
米長名人には兄弟が何人もいましたが、他の兄弟は名人よりみんな頭が悪くて
しかたなく東大へ行って勤め人になったという逸話があります

その天才米長をしても相場の世界は彼に名人位を与えませんでした。
それはなぜかと僕なりに考えました。
将棋は勝つことに価値があります。到達することの競争です。
将棋は富ではなく名誉、勲章を求めるゲームです。
相手の王を倒せば、倒した者は無一文になっても賞賛されるのです。

負けた者の駒台には、飛車、角、金、銀が山のように積まれています。
勝った者の駒台には、歩一枚さえも残っていないことが多いのです。
手持ちの駒もなく、もう後がない境遇で相手の王を詰ますと「ぴったし詰ませましたね。無駄のない攻めでしたね、きれいに決めたね」と、まわりも絶賛します。
負けた者は、飛車角を大事そうに抱えての負け。
「あいつは、王様より飛車を大事にしてたんじゃないの?」と笑われます。

つまり将棋のルールと株のルールは真反対です。
株は金銀を残してなんぼの世界です。
将棋は駒台に金銀の駒を沢山貯め込んでもなんの価値もありません。

相場に淫すると、将棋指しのような相場を張るようになります
自分の狙った株が上がることがうれしい、より高く上がり売り方を恐怖に陥れ
完膚なきまでにやっつけるのが楽しい。
勝つことが目的になり、金儲け(リスク管理)は二の次になりがちです
きっと米長名人も銘柄を当てているうちにそんな気持ちになったのでしょう。

将棋の好きなかたは、そこのところにお気をつけください
ちなみに僕は、地域の将棋教室の代表を務めています。はははは。
この文章は米長の名を借りて、自分を戒めているのでございます

僕は碁はあまりやりませんが、学生時代に碁の好きな友人がいて碁の相手を無理矢理させられていたので、碁も打てます。
碁は置石をしてハンディをつけることができるので力量の差があっても、まあまあ楽しめるものです
将棋は駒を落としても上級者にはまず勝てません
将棋の場合、上級者に飛車角を取られた瞬間に少ない飛車角なので逆のハンディになってしまうからです

その点、碁はハンディがつけやすい。
布石を楽しむために、置石をせず、20目とか30目のハンディをつけることもできます。

碁は面積と取り合いなので、株式投資に向いていると思います
しかし、本質的に、碁は債券投資的かもしれません。
碁のプロが株式投資で有名になった話はあまり聞きませんがどなたか知っておられますでしょうか?

碁は二眼を作ってまず生きなければなりません。
まず生きてから攻める、あるいは攻めながら生きる。
生きることの競争です。
欲をかいて攻め過ぎると守りきれなくなって打った石が全滅して相手のものになってしまうことがある。
このあたりが、株式投資に通じるものがあります。

将棋よりむしろ碁のほうが、心構えとして株式投資に応用できると思います
碁の場合は負けても、自分の石は残り、スッテンテンのゼロと言うことはまずありません
何目の勝ちというように取った領土を競うのですから株でいくら儲けたかを競うようなものです。
株をやる上で碁を覚えて損はないといえましょう

最後に麻雀ですが、実はこれが一番株式投資に似ています
将棋や碁は計算が成り立ちますが、麻雀は配牌とツモという未知の部分があります相場がいくら計算しても、次の日にはその前提が崩れ去り別の局面になっているのと似ています

株式投資で案外、初心者が勝つことがあるように、麻雀もツキまくって初心者が10年選手に勝つことがあります
将棋や碁では絶対ありえないことが麻雀では起こりえます。

しかし株も麻雀もながくやっていると経験者が勝つようになります。
株も麻雀もツキが大事な要素ですが、ツキだけに頼っていてはいつかお金を巻き上げられます
麻雀は防御と攻撃の微妙なバランスの上に成り立っています
強い相手には、見栄を張らず降りる。弱い相手は徹底的に叩く。

麻雀も株と同じで大事なのは、勝って逃げることです。
最初に半チャン何回と決めてからゲームを始めましょう
ダラダラ永らくやっていると、せっかく儲けたものを吐き出すことが多い
女房に、時間を指定して電話を入れさせ、親戚に不幸があったと言わせて
勝ち逃げすることも必要です。

ツキがないときは休むこと。トレンドに逆らわない。
高い手が出来そうなときは、降りずに頑張る(利大)
安い手でテンパッても、親の高い手などに向かって行かない(損小)

負ける人を見ていると、上がること(勝つこと)に執着して儲けることを
忘れている儲けてなんぼです。安い手で勝負をして、上がったとしてもな
んにもならない。相手が見え見えに高い手をテンパイしていそうなときは
、危険な牌は捨てない株で言えば、リスク管理です。リスク管理を忘れると
大やられする。

麻雀は箱テン(点棒がなくなる)でゲーム終了のルールでやることが多いの
ですがこれも株式投資で元本をなくしてしまえばゲームが終わるのと似ています
株をやめる人を沢山見てきましたが株式投資が嫌いになったのではなく、財布が「箱テン」になったためです
点棒さえ残っていれば、親満、ひょっとして役満を上がって逆転勝利もできるのです。

生き残るため、まず相手の捨て牌を見て、振り込まないことを基本におくことです。
負けないことを基本にして、行けるときには、ドーンと高い手で勝負をかける。
点棒が貯まりトップがとれそうなときは、安上がりして他人の親を流すのも必要です。
あるいは、わざと安い手に振り込んでゲームを勝ちで終わらすようにして追撃を封じるのです。

いまは立場上やっておりませんが、会社員時代は1ヶ月の給料が麻雀の清算で無くなるようなレートでした。麻雀に負けると給料日に給料がもらえないので負けない麻雀、いくらかでも勝つ麻雀が身につきました。

将棋、碁、麻雀の3つのゲームでは麻雀が一番株式投資に近いものだという結論です

コメント

タイトルとURLをコピーしました