ラーメン屋で働いていても旨いラーメンが作れない

時間給を貰うためにラーメン屋で働いている人は、ただそれだけだ。

店主のつくるラーメンのどこに味の秘密があるのかを学び、旨いラーメンを作ろうと必死に考える者だけが独立できる。
自分のラーメン屋を持ち、お客が集まってきて銭儲けが出来る。

漫然とラーメン屋でアルバイトしていた者が銭が儲かると思ってラーメン屋を始めても、閑古鳥が鳴いてその店はいずれ店仕舞いの憂き目を見るだろう。

これと似た現象が、証券会社で働いていた者にも言える。
昔、電話で注文を取っていた頃の証券会社の営業マンは手数料を稼いでなんぼだった。社員の評価は手数料収入の多寡であった。

お客の資産が増えたって証券会社にとって何のメリットもなかった。
たとえお客が株で大損しても、その客から膨大な手数料を巻き上げた営業マンは証券会社にとって優秀だったのである。

証券会社の株式取次営業マンは言わばラーメン屋に勤めてラーメンをお客に運んでいただけなのだ。味の良いラーメンの作りかたを学んでいたわけではないのだ。

だから株のプロのはずの元証券会社営業マンが自分で株を売買しても大儲けできないのだわさ。
僕は元証券マンで株式を販売していた。同期入社が140人いた。
会社は廃業したが、その後も同期会はやっていた。

昔の仲間に「株式売買を自分でやっているかい?」と聞いたら、誰も自分では株をやっていなかった。
証券マンは客に株式売買を頻繁にやらせて手数料を稼ぐ訓練を受ける。
株で資産を増やす訓練は受けない。だから元証券マンで株売買で財を成した者はあまりいないのです。

株で大儲けしたBNF氏は引きこもりのニートだったし、テスタ氏はパチプロから転進した男だ。株の世界とは無縁だった。
本来、株式知識のある元証券マンのほうが、ニートやパチプロより株式投資で儲かるはずなのだが、ラーメン屋のアルバイト男が美味しいラーメンを作れないのと同じで、株で資産を作れないのだわさ。

ちなみに僕は現職の証券マン時代はお客の資産を増やすことに興味があった。銘柄も自分で研究してお客に奨めていた。
証券会社は本社株式部から個別銘柄の買付ノルマが全国支店に送られてくる。
そのノルマ達成が営業マンの仕事だった。
上りそうもない銘柄のノルマを達成したあとは、自分で研究した銘柄を客に奨めた。

僕の選ぶ銘柄が株式部銘柄より良く当たるので全国の同期入社組が草笛銘柄を買うようになった。
それで本社株式部の部長から僕はきつく叱られた。

「一営業マンの分際で勝手に銘柄研究をして全国支店に情報を流すな!それは俺ら本社株式部の仕事だぜよ!」

僕は株が好きで証券マンになったのに、自分で株の研究をして当てても叱られた。
上がりそうもない、わけありの銘柄の販売ノルマを与えられ
そのノルマをこなすだけでは兜町(証券業界)に身を置く意味がない。
それが、証券マンを丸5年間やって退職し、田舎に引っ込んだ理由の一つなのでございます。

蛇足ながら証券マンは手張りは禁止されていました。
僕のいた証券会社の上司(主任さん)が優秀な人で、いつもノルマを100%以上達成していた。
優秀だから会社が廃業したあと、某ネット証券の社長になった。
その縁があり、そのネット証券で僕は資金の一部を運用して増やした。

彼は社長としてネット証券会社を発展させ、円満退職した。
いよいよ自分で株の売買が出来るようになった、と張り切って
退職金で株売買をやったようです。

「先輩!株で儲かっていますか~~♪」

と電話で聞いたら

「ダメだよ。いざ自分でやってみると株は難しいもんだね~~
 投入資金がどんどん減っていくから、株式売買はやめたよ・・・」

と言っておられた。株売買で儲けることはそのくらい難しいことです。
株で億り人になれる人は100人中、1人いればいいほうです。
あとの99人は株式被害者、肥やし、となる身の上なのでしょう~~

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