三方ヶ原の戦いで負けた徳川家康の食い逃げ事件

先日のNHK大河ドラマの1シーンについて語る

柴田理恵が演じる茶店の女主人が徳川家康が食い逃げするくらい慌てていたと笑いものにするシーンがあった。

三方ヶ原で武田信玄軍に大敗した徳川家康が逃げる途中に、立ち寄った茶店で腹ごしらえしていたら
そこに武田信玄軍の追っ手がやってきた。
徳川家康が慌てて代金を払うのを忘れて逃げ出した。
茶店の女主人が徳川家康を追いかけて代金を払わせたそうだ。

歴史的な戦争が行われていたときに、女主人が茶店を出して飲食の接待をやっていたのは真実かどうか?小一時間語ります。

鎌倉時代、室町戦国時代、江戸時代までは戦争は原則として武士がやるもので一般庶民は関係がなかった。
昭和平成令和時代のヤクザの組同士の抗争と一般庶民とが無関係であるように。
ラーメン組長は殺されてもラーメン屋の堅気の従業員やラーメンを食いに来た客は殺されないのと同じ理屈です。

一般庶民は武士が対峙する戦場のそばにお弁当と水筒を持って「戦争見物」に集まったのでござます。
娯楽の少ない時代に、合戦見物は庶民にとって最大の娯楽だったのでございます。

幕末に起きた会津若松の会津藩兵と薩長兵の戦いのとき会津の一般大衆は弁当を持って見物しておりました。
一般大衆にとって幕末の戦争はサムライ同士の戦いでした。
自分らとは無関係の権力闘争で、見物の対象でしかなかったのです。
敗れた会津藩の武士が残した記録に「地元の住民は弁当をもっていくさ見物しているだけだった」と書いてあります。
支配者階級が変わるだけであり住民にとってはいくさは他人事だったのでございます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました