テニアン島訪問記 第6章

鈴木さんは愛煙家だった。空港の玄関口には灰皿があり両側に2つづつプラスチックの椅子があった。
鈴木さんは煙草に火をつけて一服してから、おもむろに切り出した。

「この島は中国人観光客が多いです。テニアン島に来る観光客の7割が中国人、2割が韓国人、日本人1割と言ったところでしょうかね。今日も中国人のツアーの案内をする予定でした。
でも、中国人観光客は中国人スタッフに任せて私が草笛さんをご案内してもいいですよ・・・」
「そうしていただけると助かります。よろしくお願いします」

日帰りの予定なので半日ガイドをお願いした。

「普通、半日ガイドの料金の相場は45ドルですが、それは団体さんの場合です。
草笛さん一人だけのお客様ですから・・・・・80ドルいただけますか?」
「はい、OKです。鈴木さんに会えて地獄に仏です。感謝!!感謝!!」

ぶっつけ本番で孤島に渡り、島で7人しかいない日本人の内の一人に個人的に島を案内してもらえるとはまっことツイている。
いつだって人生は身体を張ってぶつかっていけば何とかなるものだ。

「鈴木さん、僕はB29が原爆を装着した場所に行きたくてテニアン島に来たのですよ。そこをメインにして案内してください」
「B29発進用の飛行場は今も時折、米軍が使っています。あいにく今は海兵隊が来ていて、戦闘訓練の野営キャンプをやっているので敷地に入れないですよ」

これにはガッカリした。ツイていない。
戦争中に米兵が飛行場地面に穴を掘り、そこに原爆を置き、B29の下腹に原爆を装着した場所で
トラスト聖戦、C&G聖戦必勝の祈祷をすることが僕の目的だったからだ。

70年以上前の大東亜戦争のとき日本本土爆撃に使っていたB29用の飛行場が今も現役で使われているとは知らなかった。
日本国内の海軍航空隊用の飛行場は廃墟になっているのにね。
我が家のそばにも使われなくなった帝國海軍航空隊銀河部隊の飛行場の廃墟がある。

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