貧乏神に取り付かれた金欠病の男には誰も寄り付かない。

親戚さえも避けて通る。
94歳で亡くなった株の同志の口癖でした。

「草笛さん、この世で一番つらい病気は何だか知ってますか?」
「やっぱりガンですかね~~」

「ガンなら人が会いに来り、話相手になってくれますよ
 ガンよりもっと恐い病気があります。
 その恐い病気になった家には友人も近づかなくなり、親戚さえも避けて通るようになる」
「そんな恐い病気があるんですか?何ですか?」

「それは金欠病です。銭が無くなり借金まみれになると誰も相手にしなくなりますよ」

株の同志は会社経営していて、経理上の見解の相違で広島国税庁に
査察に入られ大金を持っていかれた経験があった。
そのとき彼は

「田舎の税務署ではなく天下の広島国税庁がやってくるくらいの人間になれた!
 国税庁がやってくるくらい自分は金が増えたのだ。
 金欠病になって誰もやって来ない境遇のよりずっとましだ」

と思ったそうだ。陽気暮しの発想ですね。

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