高校の同期会の企画があって、他のクラスの幹事と話した

同じクラスだった仲間の動向は分かっている。
しかし高校時代は500人も同期生がいたので他のクラスの者の高校卒業後の人生など知らなかった。

「あまりお互いの人生を知らんから、簡単に自己紹介をしようぜ」

と僕が提案して、一人一人に過ぎ去った50年間の社会人時代の人生を語ってもらった。

それぞれが、役所に勤めていたとか、学校の先生をやっていたとか
自己紹介した。その中で

「自分には今、子供が2人います。小学生と中学生です」

と自己紹介した男がいた。
これには皆がビックリ!他の仲間の人生談がかすんでしまった。
今年、同期生は皆が73歳になろうとしているとき、小学生の子供がいるとはなんぞや?
身寄りのない孤児でも引き取ったのかい?と聞くと
いや、自分の実子だと言う。

62歳のときに38歳の妻と結婚したそうだ。
若い妻と結婚した頃は北海道で会社経営していて羽振りが良かった。
だから若い妻を娶れたわけだわな。

ところが投資詐欺話にひっかかって2億円騙し取られてスッテンテン。
今は帰郷して親子4人でアパート暮しだという。夫婦共稼ぎだとも言った。

「24歳も年下の若い嫁さんをもらうと、亭主が銭を失くしたあと金の切れ目が縁の切れ目で、嫁さんは逃げ出して行くはずだわな。なんで君の若い妻はいまだに君のもとから逃げ出さないのかい?」

と僕は失礼を顧みず、あけすけに聞いて見た。

彼は怒りもせずニッコリ微笑み、そして悠然と答えた。

「お金があるときやってくる女はホンマモンではないぜよ。
 お金を失くしてなお、ずっと一緒に暮したいと言う女がホンマモンだ。
 お金を失くしてこそ、人は真実の愛を知ることができる。
 真実の愛とともにある自分は、まっこと、幸せ者です。」

いつも他人に愛と誠の法話を語ってきた僕も、彼の言葉に一本取られました。

草笛は銭がない人間、銭を失くした人間は、生ける屍、銭を失くした人間が街を歩いていても、首のない人間が歩いているのと同じだと株式人生法話で語ってきました。まったく別個な世界観がこの世にあって感動しました。2億円騙し取られてなお陽気暮しをしている友人にホンマモンの陽気暮しを見たのでございます。良い話をありがとうございます、感謝。

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