第3滑走路と第4滑走路はまったく使われていなくて、草むらに覆われていた。
いざ戦争となれば、また使うこともあろうかと、そのまま壊さずに放置しているのだろう。
草むした2600メートルの巨大滑走路2本。もったいないなあ~~と思った。
第2滑走路には演習のため、米軍の軍用トラックや軍需物資が置いてあって、海兵隊の部隊がいた。
誘導路には海兵隊の兵隊さんたちが寝泊まりする個人用のテントがいっぱい設置されていた。
兵隊さんたちはバスタブ付きのホテル住まいと言うわけにはいかんわな~~~
何もないジャングルの中のコンクリートの上で兵隊は寝泊まりしているのだわさ。
昔も今も兵隊さんは大変だ。「兵隊さんよ、ありがとう」の歌そのものだ。
鈴木さんが調子に乗って、
「せっかくだから、草笛さん、第2滑走路にも入って見ましょう!」
と車を第2滑走路に侵入させて、米軍のトラックや軍需物資が集積されている場所に向かって進んで行った。
通常の2倍の半日80ドルのガイド料だから、せいいっぱいのサービスのつもりなのだろう。
「鈴木さん、演習中で危ないですよ、やめてくださいよ。僕はこんな島で米兵に射殺されたくないですよ」
「なあに、大丈夫ですよ。米軍は民間人を撃ったりしないでしょう~~♪」
そしたら、広い滑走路の遥か遠くから、軍用ジープが突然ヘッドライトをチカっと点灯させて、僕らの車に向かって発進した。
「やっぱ、やばいですよ~~~!!鈴木さんUターンして戻りましょう!!」
鈴木さんは慌てて、滑走路に大きな弧を描くように車をUターンをさせて引き返した。
後ろを振り返れば愛、ではなくて軍用ジープ。逃げる僕らの車を追いかけてきた。
助手席の僕は身体ごと右にねじって後ろを振り向き、追ってくる軍用ジープを見つめていた。
憲兵に後ろから背中を撃ち抜かれてはたまらないからだ。
死ぬときにも草笛は正面を見据えていたい。

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