テニアン島訪問記 第8章

島の北東の海岸に間欠泉のように潮が吹く場所があった。
一般の観光コースの目玉の一つなのだろう。鈴木さんは戦跡でもないのに間欠泉を見せたがった。まあ株と間欠泉には因果関係があるからいいかと思った。
株の世界でも時折、間欠泉みたいに吹き上がるボロ博打株があるからね。

潮吹き海岸には一般人観光客は一人もいなかったが、迷彩服を着た米軍海兵隊隊員3人が普通乗用車一台で来ていた。

鈴木さんが米兵の所に行って
「日本から単身でわざわざテニアンに来た日本人がいる。米軍飛行場に入りたがっているのですが・・・」
と訊いてくれた。そして良い返事をもらって帰ってきた。

「草笛さん、あなたはツイていますね。海兵隊の訓練は第二滑走路でやっているので原爆装着記念碑のある第一滑走路なら入っても大丈夫だろうと言われました」
「それはありがたい。感謝!!感謝!!感謝!!」

僕が嬉しそうにしているところに、白人の米兵が近づいてきた。
すごく親しみを込めた笑顔でやってきたのだった。

「コンニチワ!ワタシノツマ ニッポンジンデス」
「そうですか!それで日本語がしゃべれるのですか!あなた日本語がうまいですね」
「スコシダケハナセマス ワタシ ニッポン スキデスヨ」

そこから先は彼はまた英語に戻った。彼は簡単な日本語しか話せないのだ。
「潮吹き海岸の隣の草むらには地雷が敷設してあるから入っては危ないぜよ。気をつけろよ」
と彼は英語で忠告してくれた。ありがたい。地雷を踏んで爆死しないで済んだ。ツイている。

彼は日本人女性と結婚しているので、親日的になって演習中であるにも関わらずB29用の飛行場構内に入っていいよと言ってくれたのかもしれない。
まっこと草笛の行く先々いつだって道が開ける。ツイている。ツキまくりだ。人生ツキがすべてだ。

                   テニアン島訪問記 第9章につづく

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